プロフィール
緊縛を性的な文脈だけでとらえず、心の解放と祷りを込めた身体表現として昇華させる。そのために必要となる安全の知識・技術・歴史の教育活動を展開している。
青山夏樹
襲名披露フライヤー
私の縄の在り方
私は、少ない縄で人と向き合うことを大切にしています。
少ない縄とは、単に縄の本数を減らすことではありません。
無駄を削ぎ落とし、必要なものだけを残す、日本の美学に通じる考え方です。
最小限の縄で一人の人と向き合うためには、技術と覚悟が必要です。
縄を増やせば隠せる粗や逃げ道も、少ない縄では誤魔化すことができません。
だからこそ私は、自分自身にも強い緊張感と集中を課します。
相手の呼吸、身体の反応、感情の揺れを細かく感じ取りながら、目の前の一人の人間と丁寧に対峙する。
それが、私の考える縄の在り方です。
私は、縄によって誰かを支配したいのではありません。
縄を通して、人と人が心で対話する時間を作りたいのです。
現代は、知らず知らずのうちに心を固くし、肩で息をしながら生きている人が多い時代だと感じています。
だからこそ私は、縄によって安心して自分を預けられる時間や、少しだけ心をほどける場所を作りたいと思っています。
また、長年の活動の中で、緊縛における事故や身体への負担とも向き合ってきました。
美しさだけではなく、身体構造や安全性を理解し、人を雑に扱わないこと。
それも、私にとって非常に大切なテーマです。
私にとって縄は、単なる刺激や技術ではありません。
人と人が丁寧に向き合うための手段であり、美学であり、願いです。
そして、その願いの積み重ねが、私にとっての祈りなのだと思っています。
著書